2024年度 第2回オンライン講演会のお知らせ
生物的防除部会 2024年度 第2回講演会を下記の通り開催いたします。
会員の皆様はじめ多くの方がご参加くださいますようお願い申し上げます
記
開催日時 : 2024年 11月21日(木曜日) 13時00分~16時10分
開催形式 : 会場および Zoomミーティングによるハイブリッド形式
会 場 : 東京農業大学世田谷キャンパス農大アカデミアセンター地下1階 横井講堂
参 加 費 : 無 料 (懇親会に参加される方は、3,000円)
演題1 「マイコウイルスによる病害防除、および虫害防除の新知見」
東京農工大学大学院農学研究院生物制御科学部 細胞分子生物学研究分野
森山 裕充 氏
作田 康平 氏
(13:00~14:00)
「講演要旨」
マイコウイルスはAgaricus bicupolasで最初に発見され、その後ペニシリン生産Penicillium chrysogenun、醸造酵母では雑菌を殺すキラー因子として活用されてきた。植物病原菌では最初にイネいもち病菌などで発見されたが、その後、欧米ではクリ胴枯れ病菌、国内では白紋羽病菌、中国では菌核病菌で、それぞれの病原菌に感染するマイコウイルスのうち宿主菌を弱毒化するものが生物防除資材としての利用が試みられてきた。昆虫病原菌においては宿主菌を強毒化するマイコウイルス、ヒト病原性真菌においては宿主菌に弱毒化を付与するマイコウイルスも見つかっており、これらの事例も合わせて紹介する。
演題2 「実は相性抜群だった!」
~UV-B照射の光環境はカブリダニによるハダニ抑制効果を向上させる~
兵庫県立農林水産技術総合センター 農業技術センター 病害虫部
課長(防除指導担当) 博士(農学)
田中 雅也 氏 (14:00~15:00)
「講演要旨」
施設イチゴにて、UV-Bによるハダニの殺卵活性を利用した物理的防除法(UV法)を開発した。しかし、株が混み合うと葉裏にUV-Bが届かなくなり抑制効果は低下する。そこで、IPMの観点から、カブリダニ(PM)との併用を検討した。UV法のみ、PMのみ、UV法とPMの併用を比較した結果、UV法とPMの併用で、栽培終了までハダニ密度が抑制できた。これら試験にて、UV法(物理的防除)とPM(生物的防除)の併用による相乗的なハダニ抑制効果が確認されたので、その要因を含め、本講演にて紹介する。
<休 憩> (15:00~15:10)
演題3 仮演題「昆虫共生微生物による病害虫防除」
農研機構 生物機能利用研究部門昆虫利用技術研究領域 昆虫制御技術グループ
陰山 大輔 氏 (15:10~16:10)
「講演要旨」
昆虫には様々な微生物が共生していることが知られている。そのなかでも細胞内に共生し、宿主の生殖システムを自分の都合のいいように操作する微生物の存在は、進化生物学者や細胞生物学者の興味を惹き付けてきた。この二、三十年の取り組みにより、非常に多様な微生物がそのような性質を独立に獲得したことが分かってきた。今回のセミナーでは、その宿主操作の多様性や巧妙さを紹介するとともに、微生物の性質を逆手にとることによって、農業害虫や衛生害虫の防除に利用する取り組みについて紹介し、現状の課題と将来展望について話し合いたい。
【懇親会】 16:30~
講演会終了後、演者の皆さんを囲んで懇親会を行います。
参加を希望される方は会場で講演会参加申込の際懇親会への参加有無をお知らせ下さい 。
(参加費 3,000円)
連絡先 生物的防除部会 事務局
厚井 隆志 E-mail:takashi.koi@nifty.ne.jp